(9)式の左辺は,曲面の微小部分の面積を表しており, その意味するところはやや不明瞭である.それに対して,右辺は, 曲面の接平面の微小平行四辺形の面積を表しているので,その意味は 明瞭である.不明瞭な理由は,物理の教科書では,曲面の面積も 天与のもので自明であるかのように取り扱っているからである.
高木貞治:解析概論に従って,その定義を述べれば,次のようである.
[定義2]
曲面 S を小区域
に分割し,
の任意の点
における接平面 T の上への
の正射影を
とする.
分割を細かくしていったとき,
が一定の極限値を
有するならば,その極限値を S の面積と定義する.
曲面 S が具体的に
それにつけても,定義2の曲面の面積の定義は不自然である.直感的には, 曲面の内接する多面体の表面積の極限として定義したいところであるが, それではうまく行かない.そんな例としては,円柱形提灯の例が 有名である(解析概論,365頁).結局,「面積は天賦でなくて,我々 が自ら定義して,自ら始末せねばならない」のである (解析概論,324頁).という事になる. 今まで問題にしてきたことは,結局定義の問題,言い換えればコンセプトの 問題である.そのあたりの事を,学生に丁寧に,はっきりと説明した方が 良いのか,しない方が良いのか,判断が難しい.先生方の御意見を お伺いしたいところである.